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正義感の強いミカの母

                          (サムエル記下3・3
                                            石川和夫牧師
  

 ミカ(ヘブライ語で「神のような者は誰か」)というとイザヤと同時代(紀元前八世紀)のユダの預言者、ミカ書の著者が有名ですが、旧約の中では、ミカという人が八人出ています。
 ミカ書の預言者ミカの次に詳しい話があるのが、士師記のミカです。でも、このミカは、もうひとつパッとしません。母親から銀を盗んで知らん顔している人です。母親の呪いに圧倒されて、自分が盗んだことを母親に白状します(17・2)。ところが彼の母は、息子の祝福を祈って、「息子のために彫像と鋳造を造っていただこうとして、この銀はこの手で聖別し、主におささげしたものです」と言って、銀細工師に彫像と鋳像を造らせます(3、4節)。
 このミカは個人で神殿を持っており、自分の息子の一人を祭司にしていました。まだまだ宗教的には、いい加減な時代だったようです。そのことを言い訳するかのように、
 「そのころイスラエルには王がなく、それぞれが自分の目に正しいとすることを行っていた」(6節)と書かれています。
 母親に造ってもらった彫像と鋳像、これがエフォドとテラフィムという神の像のようですが、これが後に一役買うことになります。旅のレビ人を自宅に泊めて自分の息子と同じように祭司にします。ミカの信仰は手前勝手で「レビ人がわたしの祭司になったのだから、今や主がわたしを幸せにしてくださることが分かった」(13節)と言います。悪い人ではないようですが、厳しさに欠けています。
 一八章で、移住して行くダン族に祭司と祭具の一切を奪われて、北に移住したダン族の「守り」に利用されてしまいます。「こうして、神殿がシロにあった間、ずっと彼らはミカの造った彫像を保っていた」(18・31)のです。