検索によりこのベジをごらんの場合
「旧約聖書の女性と現代」ページに移動することができます。
 
トップページへ戻る 



歴史を変えたモーセの母、ヨケベド
(出エジプト記620

                                             石川和夫牧師
  
 

 「アムラムは叔母ヨケベドを妻に迎えた。彼女の産んだ子がアロンとモーセである。」
 (出エジプト記6・20)

  6・14以下のモーセとアロンの系図によれば、モーセの家系はヤコブの十二人の息子の中の三男、レビの氏族であることが分かります。「彼女の産んだ子がアロンとモーセである」と書かれていることで、ヨケベドに栄誉を帰していることが分かります。
 モーセが生まれた時、ファラオから「生まれた男の子は、一人残らずナイル川にほうり込め」との命令が下されます。ヨケベドは三ヶ月の間、隠しておいたのですが、隠し切れなくなって、パピルスの籠に赤ちゃんモーセを入れて、ナイル河畔の茂みの間に置きます。やがて籠は流されて王女が拾い上げます・一部始終をじっと見守っていた姉のミリアムが、乳母として母ヨケベドを紹介して、王宮で、モーセを育てることになります(出エジプト記1・22〜2・10)。
 泣く泣くファラオの命令に従った悲劇の母親たちが多かった中で、ヨケベドは決して諦めませんでした。あらん限りの知恵を働かせたことに神が助けの手を伸ばされたのだと出エジプト記の著者は主張したかったのでしょうか。
 「主が『イスラエルの人々を部隊ごとにエジプトの国から導き出せ』と命じられたのは、このアロンとモーセである。そして、イスラエルの人々をエジプトから導き出すよう、エジプトの王ファラオの説得に当たったのも、このモーセとアロンである。」(6・26、27)目立ちませんが、結局、歴史を変えた大事件の裏の主役は、モーセの母ヨケベドだったのです。