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女性の権利の保護 (女性に関する戒め・一)

(出エジプト記22・21、22)


                                             石川和夫牧師
  
 「寡婦や孤児はすべて苦しめてはならない。もし、あなたが彼を苦しめ、彼がわたしに向って叫ぶ場合は、わたしは必ずその叫びを聞く。」(出エジプト記22・21、22) 
 これは、旧約聖書全体を貫いているテーマでもあります。身分や血統が重んじられていた当時としては、実に現代的な人権保護が主張されています。この言葉の前の二〇節には、「寄留者を虐待したり、圧迫してはならない。あなたたちはエジプトの国で寄留者であったからである。」とかれています。
 更に、財産と考えられていた奴隷に対しても、その当時としては驚くほどの人権尊重が主張されています(21・1〜11)。 
 「もし主人が彼女を一度自分のものと定めながら、気に入らなくなった場合は、彼女が買い戻されることを許されなければならない。」(21・8)

 現在、パレスチナ問題は、解決の非常に困難な問題となっていますが、第二次大戦が終るまでは、パレスチナ人とユダヤ人は何世紀にもわたって共存してきたのです。それには、このような旧約聖書の戒めが生かされていたからだ、と言えるでしょう。大戦後、戦勝国が自分たちの都合で、パレスチナ人を無視して、イスラエル共和国を作って、ユダヤ人をパレスチナに移住させて厄介払いをして、パレスチナ人の怒りを誘発したのが、パレスチナ問題の根源でした。元凶は、大国にあるのです。だから、大国は、恩着せがましい態度ではなく、へりくだって、この問題の解決に当たるべきです。